初めての機械式置時計・掛け時計
〜〜ご購入検討中のお客様、ぜひご一読下さい〜〜
機械式時計の精度は、1日プラスマイナス20秒程度です。
(2)機械式時計の種類
[動力]
大きく分けて ?錘式、?ゼンマイ式 の2種類です。
機種により8日巻、14日巻、30日巻などがあります。
[時報、チャイム]
毎正時1回ベルが鳴るもの
ボンボン時計(毎30分 ボ〜ン 毎正時 ボ〜ン、ボーンと数取り報時)[Bim-Bam strike]
チンチャン打ち(毎30分 チンチャン 毎正時 チンチャン、チンチャンと数取り報時)[Bim-Bam strike]
チャイム(ウェストミンスター、セントミカエル、ホイッティングトンなど)
(3)ゼンマイの巻き上げ、時間合わせ、鳴り止め
センマイは鍵でゆっくり巻き上げて下さい。冬の寒い朝などでは避けて、気温の高い時間帯に巻いて下さい。長年ご利用いただくと、金属疲労によりゼンマイが切れる場合がございます。
チャイム付のものは、長針を10時の位置までゆっくり戻してから、時間をあわせて下さい。
これにより、チャイムの鳴り方を調整します。
多くの機種で、鳴り止め(時報、チャイム)機構があります。
(4)ご利用にあたり、注意すること
振り子時計の場合は、水平に設置し片振りにならないよう注意して下さい。
クォーツの時計と違い、機械式の時計は大きなトルクがかかっています。時間調整の際は、ゆっくり丁寧に針を動かして下さい。
振り子時計の場合は振り子下部のネジを回す事により、ゼンマイ式の場合はテンプの調整レバーにより時間調整が可能です。
錘式の場合は錘を1週間に一度巻き上げて、トルク変動がないために、ほぼ毎日同じ誤差になります。ゼンマイ式の場合は、ゼンマイがほどける事によりトルクが変動します。それに伴い、テンプの振りが小さくなり精度が落ちてきます。ゼンマイを巻いた後は精度が高く、後半は精度が落ちてきます。
(5)長くご利用いただくために
時計修理の仕事に従事していた頃、持ちこまれたクロック修理は、殆んどがアンティークの部類の年代ものでした。10年以上ご利用いただきますと、ゼンマイが切れる事もございます。又、大きなトルクによりホゾ穴(歯車の芯が通る穴)が力方向に摩耗して正しく力が伝達出来なくなります。又、油(グリース)切れにより精度が落ちてきます。
新品の場合でも、5年に一度程度のメンテナンス(オーバーホール)をされる事をお奨めいたします。それにより、10年20年と末長くご利用いただけます。
最近は、デパートや小売り店でも機械式クロックの修理が出来るお店は少なくなりました。機械式ウォッチは、最近のリバイバルブームにより日本にも時計学校が出来て、多くの若者が時計技術者になるべく励んでいます。その一方で、機械式クロックの修理が出来るのは、年配の職人に限られているのが現状です。
時計は雑貨とは違います。アフターサービスの充実したお店で購入される事をお奨めいたします。
【例】機械式 ウェストミンスターチャイム付時計 の内部構造
ウェストミンスターチャイム付のムーヴメントです。ゼンマイの軸が3つ見えます。?時計の駆動 ?時報の動力 ?チャイムの動力 です。
中央上部のノコギリの歯のようなもの、これは数取り報時を制御しています。中央の巻貝のような部品は15分ごとのチャイムを制御しています。
ハンマーは5つあります。ウェストミンスターチャイムの場合、キン、コン、カン、コンの4つのように思えますが、時報のゴ〜ンは、3つのハンマーが同時に持ち上がり、和音になっています。基本的構造は、100年以上前から何ら変わっていません。
右側の赤いマークのついたものは、鳴り止めレバーです。これを下げる事により、時報、チャイムとも鳴らなくなります。
時計の心臓部、テンプの拡大写真です。上部の金具を動かす事により時計の進み、遅れの調整をします。時計屋さんにはビブログラフ(歩度測定器)があり、瞬時に時計の精度が確認できます。ほんの少しレバーを動かしただけで1日にするとかなり違いが出てきます。新品の場合は、メーカーにて調整済みですので、いじらないで下さい。